「ジャンゴ 繋がれざる者」

 面白かったですよ。タランティーノ作品って昔の映画へのオマージュの継ぎはぎだったり、音楽はサウンドトラックを流用するので、オレは "メジャー系自主映画" なんて呼んでるんだけど、今回のお題は前にタランティーノの盟友? 三池崇史が撮った「スキヤキジャンゴ」への返答なのかな?

 本人の言うようなマカロニなテイストはあまり感じなかったけど、波乱のストーリー展開で、舞台劇の様にスリリングなやり取りが続いたかと思うと、突発的に容赦なく激しい銃撃戦が始まったり、スッゴイ面白かったですよ。

 だけど、観終わってテーマ曲を口笛で吹いてみると、思い浮かぶのはやっぱしオリジナルのあの雨の泥道をカンオケを引きずって歩く後姿ですよねぇ。哀愁があってキョーレツなインパクトでした。

 本作も面白かったんだけど、今ひとつ何か足りないなぁと思ったのは、主人公の魅力かな……確かにクールなんだけど、今ひとつカッコ良くなかった気がする。ツラ構えですかね。

 一瞬だったけどカメオ出演したフランコ・ネロが現れた時にゃジャンゴオーラ炸裂でカッコ良かったぁ〜! なんだかまだ渋いし、今でも自分でジャンゴ出来そうじゃないッスか。

 今回主人公よりもあ〜の得体の知れない歯医者の方がずっとキャラ立ってましたよねぇ、美味しいというかズルイですよ、アレは。何の説明もなく良い奴すぎでしょう。

 あと悪役のディカプリオ君は「タイタニック」で大ブレイクする前の、本来演技派だった頃の芝居を見せてくれた感じでした。

 他にも後でキャスト表見てビックリしたんだけど、あ〜のデブで卑しい黒人執事役がサミュエル・L・ジャクソンだったんですねぇ! 特殊メイクで太ったんでしょうか、芝居が上手過ぎて気付かんやった!

 他にもあの「48時間」の悪役ジェームズ・レマーやドン・ジョンソン! ロバート・キャラダインやブルース・ダーンまでが出てたなんて!?
 後で思い浮かべてみると、そうか、アレがあの人だったのかぁ! と驚かされてしまった。

 ただし、タランティーノ本人のカメオ出演は集中して観てるところに水を差しますねぇ。タランティーノって本当品が無いというか(失礼)昔は細くシャクレて三日月みたいな印象だったのが凄い太っててビックリ。作品作りは洗練されて来たのに本人はフヤケちゃったのかな。



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